カップリング語り ~『薔薇後宮奇譚』編~

過去記事からのサルベージ品。
『薔薇後宮奇譚 ~菫の姫は千年の恋歌に啼く~』に登場する三組のカップリングについて勝手に詳しく語る記事。
 
カップリングごとの特徴を恋愛色彩理論になぞらえて解説→それぞれのキャラをざっくり紹介、という形でお送りします。
よろしければぜひ最後までお付き合いください。
 

 

クロード×バイオレッタ(クロバイ)

 
 
エロス×エロス。ただしクロードはマニアが強め。
恋愛初期に深い仲になりたがるとか、恋愛についロマンスや美しさを求めてしまうとか、そういうところがバリバリのエロスです。バイオレッタは「面食い」っていう設定もあるし。
なんだかんだこの二人って「夢見る夢男×夢子」なところがあるので、演出とかムード作りにも余念がないんですよね。ロマンや情緒を重視するカップルというか。
 
クロードは無駄に色気を振りまいて周囲を魅了しちゃうタイプ。顔もそうですが独特のオーラ・雰囲気があって宮廷の御婦人たちから人気があります。アンニュイなイケメンって感じですが、その表情は人によってはお疲れモードに見えることも……。
ちなみに同性からの評価は低め。地位は高いわ仕事もできるわで、嫉妬と僻みの対象になっています。生まれつきの無愛想・無表情も手伝って、男社会ではやりづらそうです。
 
体型はリシャールよりは筋肉質ですが、ユーグ・アベルほどは鍛えていないという。細マッチョというやつですね。
腰が低くて傾聴スキルが高い聞き上手さん。どんな話題でもひとまず「ええ」とか「なるほど……」と相槌を打っておくので、相手に「自分に興味があるんだ!」と思わせてしまいがち。ここにミュゲもまんまと引っ掛かっています(笑)。
現代パロだったら研究職か専門職が似合いそう。傾聴スキルを活かすならカウンセラーやホストとかもいいかも。
 
バイオレッタは天然の不思議ちゃんで若干人たらし。でもそういうところがかえってモテるタイプですね。
天然ボケな発言が多いですが、同性からは「あら、またやらかしてるわ。しょうがないわね」って感じで大目に見られるのでオトクです(もちろんそれがわざとらしく感じて嫌だというミュゲのようなタイプもいますけど……)。
現代パロならアイドルで描きたいですね(物語序盤で女優見習いをしているので)。
クロードさんが「姫ぇぇええええ!!」とか言って血眼で応援しそうだなぁ(そして給料は全部オタ活に消える)。
何かと凝り性なので掛け声と振りつけもばっちりです(笑)。
 
 
 

アベル×ミュゲ(アベミュ)

 
 
 
ストルゲ×マニア。真逆。
この二人は結婚しても多分友達関係の延長線上みたいな感じだろうなぁと。
アベルが放任主義の自由人なので、たまには一人でゆっくりしたいミュゲのこともうまい具合に放置プレーしてくれます(笑)。
 
アベルは多分このお話に出てくる男性キャラの中で一番キャラが濃いんじゃないかと思います(女子ならスピネル辺りも相当濃ゆいですが)。
場面によって二重人格か?と思うくらい性格が変わりますが、本人にしてみれば「公私で切り替えてるだけ」という。
アベルにしてみればクロードとミュゲは似た者同士に見えていると思います。この二人ってどっちも秘密主義のええかっこしいなのですが、そこをつついておちょくってやりたいという気持ちはアベルには常にありそうですね。
ただ、単なる好奇心からというよりは「もっと楽に生きろよ。もし失敗しても俺がちゃんとフォローしてやるからさ」っていう気持ちの方が強いんじゃないかなと。
 
年齢の割に人生経験豊富なアベル的には、きっとクロードもミュゲも扱いやすい人種なんだろうなぁと思います。頑固さゆえにわかりやすくて、自分の手のひらで転がしやすいタイプというか……。
クロードのことは討つべき敵として密かに警戒してもいますが、最終話以降はそれなりに腹を割って話せる仲になってます。この「大喧嘩したあとの和解と友情」みたいなのもいつかちゃんと書きたいです(バイオレッタ&ミュゲの和解と違って男同士の話なので、なんかちょっと胸アツな話になりそうですが)。
現代パロだとやんちゃでジゴロ体質なホストが似合いそう。
 
ミュゲは美少女なので連れて歩くだけで男性にとってはいいアクセサリーになりますが、本人としてはそういう扱いは嫌でしょうねえ。
そして、アベルがそういうおかしな特別扱いをしない男性なので興味を持った、というのは少なからずありそうです。
不特定多数にちやほやされるのが好きなように見えて実は大嫌いというツンデレさん。もともと頭がよくて分析力も高いので、うわべだけのお世辞やヨイショはすぐに見抜いてしまいます。
なので口説かれてもうまくあしらう程度ですぐには靡かない……のですが、そういうところは同性からは「お高くとまって嫌な奴」と受け取られがち。競争の激しい女の世界では何かと生きづらそうな子です(この辺りはクロードとそっくり)。
現代パロでは夜の蝶一択です。絶対似合うと思う。
 
 

アスター×クララ(アスクラ)

 
 
アガペー×ストルゲ。
この二人はお互いを思いやるあまり進展がめちゃくちゃ遅いですが、奥手同士なので大して問題はなさそうです。
たまに周囲に冷やかされたりせっつかれたりしながら、お互いのペースでのんびり進んでいきます。恐らく読者様が一番共感しやすいであろうカップリングです。
 
この二人は幼少期から一緒にいたので、恋愛関係というよりは仲のいい異性の友達同士といった認識が強いです。
なので安定感はばっちりですが、その分クロバイのような情熱と盛り上がりには欠け、もはや熟年夫婦のような間柄になってしまってます。
クララには「いつ手を出されるのかしら……」とうっすら期待する気持ちもあるはずですが、アスターは根っからの石橋を叩いて渡る性格なのですぐにそういうことできないんですよね。
母妃シュザンヌの浮気を長年間近で見てきたので、軽々しく女性と関係を持つのは躊躇してしまうという。
あと、忌み子である自分の血が子供にとって悪い方向へ作用するのではないかとこっそり懸念していたりもします。
 
なお、作者の中ではアスターは漢気の強いオトメン、クララはエリート系淑女なイメージです。
漢気の強いオトメンって!?と思われた方もいそうですが、まんまこの通りなんです。実際作中では「いざという時頼りになるのに、恋人の前ではもじもじするヘタレ」な面がかなり強調されています(笑)。
 
この二人は以前教師×女生徒の現パロを描きましたがまさにそういう感じです。
クララはもともと頭がいいのですが、「大好きなアスター先生」に勉強を教えてほしいがためにわざと赤点を取って居残りしたり。アスターは「こいつなんで成績いいのに毎回居残りなんだろう?」って首捻ってると思うのですが、それもまたよしです(笑)。
 
***
 
読者様によってはクロードはルダス型のようにも見えるかもしれませんが、この人根っこの部分はかなり一途(重いくらい一人のパートナーを愛し続ける)なタイプなのでちょっと違うんですよね。
逆にアベルは、ルダスまではいかないけど微妙にそれに近い要素があるかもしれません(プレイボーイで万人の恋人)。
 
最後に、この三組のCP&キャラクターに全く当てはまらなかったのがプラグマ型ですが、これが一番似合うのはなんといってもシュザンヌさん(オルタンシア、ミュゲ、プリュンヌの母親)でしょう。
あの媚びた感じや浮気性なところはルダス+プラグマなイメージ。
実際恋愛色彩理論のマップでもこの二つは密接に隣り合ってますし、本人も恋愛面での打算や損得勘定が多そうです(笑)。
 

 
気が向けばカップリングの数を増やす……かも(クロード×ミュゲとか、バイオレッタ×ピヴォワンヌとか)。
 
「恋愛色彩理論って何ぞや……」という方はぜひ一度調べてみてください。
なかなか興味深い分類の仕方をしているし、サイトによっては診断とかもできるので面白いですよー。
 
 

 

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