月の世界の物語

―THE WORLD OF THE FULLMOON―

☆ブログにて掲載しております「月の擬人化シリーズ」のキャラクター設定をまとめたページです。
本編なし、設定のみ。ときどき増えます。
◆フレーズ(Fraise)

6月の満月である「ストロベリームーン」の聖霊。主に恋愛絡みのお願い事を叶えてくれる、ちょっとロマンティックな少女聖霊。またの名を「ローズムーン」といい、髪からはバラ科の果物であるいちごが生っている。フレーズがときめきを覚えると、髪に実るいちごの数もまた増える。
自称「恋の伝道者」。カップルを成立させるのが趣味で、いい雰囲気になりかけている男女を「月のご利益」と称して無理やりくっつけてしまったりする。ふわふわ甘い雰囲気が特徴的な精霊で、胸が高鳴るようなものや非日常的なシチュエーションが大好き。いつまでもドキドキわくわくしていたいと願う永遠の乙女。まれに愛やロマンを求めて暴走してしまうことがあり、いつもセールやエストにやんわり止められている。
好きなものはきょうだいを集めての恋愛談議。恋に憧れる弟妹たちに自分なりのアドバイスをするのが趣味(ただし中にはとんちんかんなものも混じっている)。

 


 

◆セール(Cerf)

7月の満月に宿る聖霊。バックムーン(牡鹿月)の光から誕生。楽観的でのほほんとした性格。「まあ、なんとかなるんじゃない?」が口癖。マイペースなのんびり屋だが、聖霊としてのお役目には一生懸命。夢見がちで恋愛好きな姉・フレーズに比べると遥かにしっかりしている。一見フレーズの方が妹に見えるが、こっちのほうが年下(弟)。暴走しがちなフレーズをそれとなく諌めることも。暑いとすぐに服を脱いでしまう悪癖を持っている。
恋に生きる姉とは異なり、地に足のついた堅実な暮らしを好む。月の化身としてのご利益も、出世運、仕事運、健康運など、ごく現実的な内容のものが多い(ちなみに姉であるフレーズのご利益は恋愛運、結婚運、子宝運など)。
ハーベストムーンの聖霊であるポムと仲がいい。実った収穫物をおすそ分けしてもらったり、採れたての野菜や果実を一緒に食べたりと、きょうだいたちの中では最も親密な間柄。性格もおっとりしたもの同士抜群に合うため、彼女と行動を共にすることが多い。

 


 

◆エスト(Esturgeon)

「神の魚」とも称されるチョウザメの姿をした月の聖霊。1月の聖霊であるウルフムーン、7月の聖霊であるバックムーンと並び、非常に神格が高い存在だといわれている。本名は「エストルジョン」だが、長くて呼びづらいので「エスト」「エスト姉」と呼ばれている。
真面目な性格でしっかり者。キューピッド役よろしく新カップルの成立を楽しむフレーズ、TPOも考えずに服を脱ぎ始めるセールなど、個性豊かな(?)きょうだいたちに日々手を焼いている。
なお、携えているステッキは祭儀用の錫杖ではなくお仕置き棒。言うことを聞かないきょうだいの頭をこれで叩くのだが、馬鹿力なのでなかなかに痛い。がむしゃらに振り下ろされる恐怖とも相まって、きょうだいたちの間ではちょっとした名物(叩かれると頭が陥没するとかしないとか……)。いわば愛のムチ。

お供のチョウザメの名前はジョン。元は名もない小さな星だったが、敬愛するエストの世話をしたいと望み、彼女に付き従うお供になった。

 


 

◆ポム(Pomme)

9月の満月である「ハーベストムーン」の聖霊。名前は「ポム」。
「無償の愛」「優しさ」を司っており、大地と植物をこよなく愛する。作物を育てるのが得意。仲良くなるとお近づきの印にりんごをくれる。
きょうだいたちの中でも芸術に対する理解がとりわけ深く、創造する人・作る人の強い味方。すべてのアーティストにインスピレーションを与え、美を生み出す力を強めてくれる。
幼い外見のわりに聡明で物わかりがよく、包容力がある。そのため、母性の強いエストとは何かと共鳴し合う仲。セールとは「お兄ちゃん、こんなところで服脱がないで」「やあ、ごめんごめん妹よ」な間柄。彼の脱ぎ散らかした服を拾って歩くことも。彼の裸族ぶりに困惑してはいるが、兄としては優しいので嫌いではない。それどころか、なんとか素っ裸にならずに済むよう真面目に対策を考えてくれたりする。
フレーズのことは「髪にいちごがたくさん生ってて可愛い!」と思っており、お互いに仲良し。が、色恋には疎いため、フレーズの言葉や恋愛論をいちいち鵜呑みにしがち。彼女が語って聞かせる「理想の恋人像」をかなり本気で信じていたりする。
(ちなみに、男女の性愛に特化したフレーズとは異なり、ポムの愛はどちらかというと博愛寄りである)

 


 

◆シャッセ(Chassé)

10月の満月「ハンターズムーン」の聖霊。名前は「シャッセ」。一人称は「我」。
恋とお洒落に生きる、フレーズの一番弟子。「きょうだい一の伊達男」を自称しており、兄・姉に対しても全く臆した様子を見せない自信家。「どんな時でも100%の装いを」が信条で、衣服によっては手ずからメイクもする。
姉フレーズに愛の技巧・知識を仕込まれて育ったため、恋愛にはかなり積極的。ただし、体格が小柄なのでそもそも恋愛対象として見てもらえないパターンも多い。
根気のある人間と向上心に溢れた人間が好き。特に気に入った人間には「目標を達成するまでけして諦めない力」を授ける。
衣服がシンプルすぎるきょうだいにファッションチェックを入れるのを日課としており、特に兄セールとは「なんだこの粗末な布切れは! お前も男ならもっとめかせ!」「えぇ~、嫌だよ、俺そういうの苦手だし……(っていうか暑いし……)」なやり取りを繰り広げがち。ファッションリーダーとしてお洒落に疎いきょうだいたちを改心させようと躍起になっている。

 


 

◆カストール(Castor)

11月の満月・ビーバームーンの聖霊。名前は「カストール」。
メープルブラウンの髪と瞳を持つおちゃめな少女聖霊。末妹ということで、きょうだいたちの中でも格別に可愛がられている。
寒さに強い体質なため、年中へそ出しが基本。しかも下も膝上丈のショートパンツだったりする超元気っ子。雪合戦と寒中水泳が得意で、運動神経は抜群。どんなに冷え込む日でも元気いっぱいでパワフルなのが取り柄。
果物好きで、特にポムの作るりんごが好物。アップルパイやカラメル煮にして食べるのが好きだが、調理は不得手なため、自宅にポムを招いて作ってもらう。彼女のことはすぐ上の姉ということで一番頼りにしており、居住エリア同士も近い。
耳年増でちょっとおませさん。脱ぎ魔のセールが下も脱いでくれるのを密かに期待しているいたずらっ子。甘えたい一心できょうだいたちをからかったりいたずらしたりするため、エストによく怒られている。出っ歯なのを気にしている。

 

 


 

◆フロワ(Froid)

『寒月』とも呼ばれる12月の満月・コールドムーンの聖霊。名前は「フロワ」。ベレー帽子をかぶった銀髪の美少年。一人称は「僕」、二人称は「あなた(貴女)」で、基本敬語口調で話す。平和主義で礼儀正しい優等生タイプ。
12人きょうだいの末っ子。兄や姉からたっぷり愛情を受けて育ってきたため、ややお人好しでのんびり屋。新米聖霊として一生懸命頑張ってはいるものの、困ったことがあるとつい他力本願になってしまうようなところも。フロワ自身も自分はまだまだ半人前だと思っているため、あまり他のきょうだいたちより前には出てこない。
人間の世界や営みに強い興味関心があり、彼らの生活を温かく見守ってあげられるような存在を目指している。
線の細すぎる自らの見た目がコンプレックス。長兄ルーと次男セールのことは同じ男として尊敬しており、いつか彼らのようなたくましい男性になることを目標としている。シャッセからは身だしなみのいろはを教わっており、恋愛に興味はないものの「お洒落って楽しいなぁ」と思っている。
姉たちからは末弟としてとても可愛がられているが、ひとつ上の姉・カストールのことはいじめっ子気質なため少し苦手としている(カストール本人はいじりも愛情表現だと言い張っている)。

 


 

◆ルー(Loup)

1月の満月「ウルフムーン」の聖霊。厳めしい大男で名前は「ルー」。名前の通り狼の耳と尾を持つが、単に呼び名が具現化されているだけであって直接的な関係はない。一人称は「私」。 12人きょうだいの長男で、きょうだいたちをまとめるリーダー役。自らを「不調法者」と表現してはいるものの、礼儀正しく几帳面な性格で仲間想い。根が厳格なため、時に冷徹で恐ろしい人物に見えることがあるが、行動の基盤にはいつも思いやりと愛がある。 セール(鹿)、エスト(チョウザメ)と並ぶ高位聖霊で、神格はきょうだいたちの中では最も高い。主である月神から強力な力を与えられているが、暴走を防ぐため普段はセーブしている。 頑張り屋のポムや末弟のフロワに期待している一方、こまっしゃくれたカストールやシャッセには手を焼かされている。スノームーンの聖霊であるネージュとはルックスが怖いもの同士通じるものがある模様。 不愛想な見た目に反して意外と情熱的で恋愛上手。一度想いを通わせ合った女性のことは長い間大切にする。クールに見えて心は熱い好青年。

 


 

◆ネージュ(Neige)

2月の満月である「スノームーン」の聖霊。名前は「ネージュ」。
長兄であるルーと同じ強力な魔力の持ち主だが、力のコントロールは彼に比べると格段に下手。その昔人間界に下りた際、山をまるまる一つ凍らせて雪山にしてしまったことがあり、それ以来他者との接触を極端に避けるようになってしまった。現在は自身にあてがわれた居住エリアでひっそりと暮らしており、他の聖霊たちとのやり取りもごく最低限に留めている。が、カストールからは「雪を降らせてくれる親切なお姉さん」としてとても好かれており、時々「雪遊びをするから新しい雪を降らせてください!」と住居まで押しかけられている。
顔が怖いことを気にしており、性格はクールでやや悲観的。ルーとはとっつきにくい外見を嘆き合う仲。極度の引っ込み思案なのが玉に瑕だが、基本的には落ち着きがあって優しいお姉さんである。

 


 

◆ヴェール(Vert)

3月の満月であるワームムーンを司る聖霊。名前は「ヴェール」。サイレントフォレストと呼ばれる聖域に住む聖霊。ポムの住まうアップルフォレストとは異なり、この森には「月神の使い」と呼ばれる生き物だけがひっそりと暮らしている。ヴェールはその生き物たちの世話をする存在。春の到来を告げる「春の三姉妹」のひとりでもある。
一人称は「あたし」、二人称は「あんた」。気風のいい姐御肌で、姉妹たちの中では最も豪胆で物おじしない性格。引っ込み思案なネージュに代わって長姉の役割も果たしている。また、きょうだい一の酒豪でもある。
舞の妙手で、特技は自慢の翅を利用した舞踊(ダンス)。ヴェールのダンスは求愛と誘惑を兼ねており、よほど気に入った相手でなければ披露してもらえないほか、ついていくのが非常に難しいことで有名。この踊りは主である月神の目を喜ばせる意味合いもある。
さっぱりとした気性ながらお洒落やおめかしが好き。新しい美容情報を仕入れては他のきょうだいたちと共有している。弟・シャッセは美容仲間でありよきライバルでもある。進化、変容、美を象徴する「羽化」を司る聖霊。

 


 

◆フルラージュ(Fleurage)

4月の満月である「ピンクムーン」の聖霊。名前は「フルラージュ」。一人称は「わたくし」で、気品のあるお嬢様言葉で話す。口癖は「あらあら」。
花も恥じらう美少女で、そのカリスマ性から男女問わず多くの信奉者を抱えている。外見年齢にそぐわぬ落ち着きがあり、基本いつでもにこにこと微笑んでいる。しかし性格はなかなかに腹黒く、目的のためなら手段を選ばない切れ者である。常に優しげな微笑を湛えているが、「目が笑っていない」とのことで弟や妹たちから怖がられることもしばしば。趣味は濡れ縁でのティータイム。きょうだいたちのお茶会には必ず参加しており、特に招待した覚えがなくてもいつの間にかしれっと参加していることも……。
立ち居振る舞いが淑やかなのでわかりにくいが、実は武芸の心得がある。お茶の時間を邪魔する不届き者やきょうだいたちに害をなす存在にはためらわず鉄拳制裁を食らわせる猛者。その辣腕ぶりからエストに「師匠」と呼ばれている。‟恋愛を司る月”という意味ではフレーズと似た役割を持つが、フルラージュの力はより具体的かつ強力。フルラージュ本人が策や知略を巡らせることに長けているため、人によってはやや強引に働くこともある。

 


 

◆フルール(Fleurs)

5月の満月である「フラワームーン」の聖霊。名前は「フルール」。一人称は「アタシ」、二人称は「アナタ」。艶を帯びた蜜色の肌が特徴的な四女。
通り名は「花占の魔女」。自身の掌から生まれる花を使った“花占”と呼ばれる占術が得意で、月の世界の住人たちを占ってまわっている。開けっぴろげな性格で、フルラージュよりはヴェールに似ている。フレンドリーで気さく(そしてちょっとおバカ)なため、知り合ったばかりの人とでもすぐに親しくなることができる。
魔力の高さは四女だけあってそれなりのもの。ふとした拍子に数刻先の未来を予見することも。が、やや天然ボケな一面があるため有事の際はあまり当てにされないことが多い。
趣味は旅に出ることで、他のきょうだいたちを置いて突如ふらりと旅行に出てしまうことも。その代わり話題の引き出しが多く、旅先で起こった面白い出来事や各地の伝承などを楽しげに聞かせてくれる。
雪山に引きこもりがちなネージュのことを心配しており、ルーやヴェールとともにしばしば様子を見に行っている。
『春の三姉妹』の末っ子らしく花を咲かせる能力に長ける。フルールが歩いたあとには魔力の粒子がこぼれ種として根付き、それはそれは美しい花が咲くという。
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